この記事では「美意識」がなぜエリートに求められるのかについて考えてみたいと思います。
また、アートとサイエンスのバランスがなぜ重要なのか、そのポイントに触れていきます。
こんな方におすすめ
- アートやデザインに興味がある方
- クリエイティブな仕事をしている人
- 感性や直感を大切にする人
- アートセンスを磨きたい人
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、
- 海外MBA進学・2度の転職経験をもとに自身が所属する香港の団体でキャリア相談を実施
- SNSを通じてES・履歴書・職歴書・志望動機書に関するキャリアサポートを実施(合計30名以上)
- 大学でキャリア構築に関する講義を実施
- ドイツ勤務、外資系メーカーへの転職を経て、現在は外資系コンサルティングファームでビジネスコンサルタント職に従事
相談者視点で参加した、ポジウィルの無料カウンセリング体験を含む、キャリア関連のおすすめの無料ツールについてはこちらでまとめています。
(本ページは一部プロモーションが含まれています)
筆者のキャリアサポートを受けて転職を成功した方からいただいた声をこちらにまとめています!
この記事は以下書籍と筆者の考えをもとに執筆しています。
アート(直感)とサイエンス(論理)のバランス
判断確度の向上とは?
エリートたちはなぜ「美意識」を鍛えるのか。
それにはアートとサイエンスのバランスが大きな影響を与えています。
アートは美的感覚や直感を重視し、サイエンスは論理的な判断を行います。
これらをバランスよく持つことで、判断の確度が向上します。
片方に寄りかかると、良い判断ができなくなります。
良し悪しは絶対的に決まるものではなく、環境や状況によって変わります。
例えば、ある組織で良しとされることが、他の場所では良しとされないことがあります。
世の中の良し悪しを俯瞰的に見る
「美意識」は、自分だけの判断軸を築く手助けになります。
外部環境を分析するサイエンスの志向と、自分の直感を信じるアートの志向を併せ持つことが求められます。
自分だけの判断軸は、世の中を相対化して物事を判断する上で役立つものです。
美意識を養わないと、時代の流れに取り残されてしまう可能性があります。
世の中を俯瞰的に見て、自分なりの良し悪しの判断基準を持つことが重要です。
アートとサイエンスのアンバランスの行く末
高学歴者の「美意識」の欠如
過去の地下鉄サリン事件が、アートとサイエンスのアンバランスの例として挙げられます。
高学歴者たちが起こした凶悪犯罪に対して、「美意識の欠如」という視点からも考えてみましょう。
当時、事件の報道映像を見た筆者は「汚い」と感じました。
しかし、高学歴者たちはエリートの仲間でありながら、美的感覚を持たないように見えました。
彼らは偏差値に応じた階層構造に適応し、美意識を持たないまま事件を起こしてしまったのです。
階層構造への適応とエリートの非階層構造適応の難しさ
事件の背後には階層構造への極端な適応が見られました。
オウム真理教の幹部たちは、偏差値の高さにこだわり、教育制度が提供する正解を追い求めていました。
しかし、その結果、非階層構造には適応できず、凶悪な事件を引き起こすこととなりました。
「清濁併せ呑むマインド」の重要性
現代社会では、絶対的な正解がなくなり、相対的な価値観が重要となっています。
「清濁併せ呑むマインド」を持つことが求められています。
度量が大きく、善悪の分け隔てなく受け入れることのたとえです。 例文・使い方. 彼は清濁併せ呑む態度で、人の意見をよく聞く。
意味例文辞典
自分の判断軸を持ち、周囲のルールや判断軸を相対視しながら物事を判断することが必要です。
スキルアップは、アートとサイエンスがバランスしたときに起きる
実効性を持つスキルアップ
スキルアップもアートとサイエンスのバランスが重要です。
知識だけでなく、体感や直感も大切にすることで、実効性のあるスキルアップが可能となります。
知っているけど説明できるはNG
知識だけで実行できない人もいます。
知識は大切ですが、それを実践できる力がなければ実効性は発揮されません。
知識と体感を組み合わせて、実際に動かせるスキルを身につけることが重要です。
わかっているけど説明できないもNG
逆に、体感だけでなく言語化も大切です。
自分の感覚や経験を他者に伝えるためには、言葉で表現するスキルが必要です。
体感と知識をバランスよく言語化できることで、他者に伝わりやすくなります。
日本のサイエンス偏重と歴史の教訓
日本は長い歴史の中で「空気感 / 阿吽の呼吸」に頼って滅亡の危機に瀕したことがありました。
戦艦が無防備で相手に直進し、騎兵が銃で乱射されるなど、当時のエリートのサイエンス偏重の意思決定が災厄を招きました。
この歴史が現代の日本においても「アートで失敗したトラウマ」を残していることを考えると、今もなおサイエンスが優先される傾向が見受けられます。
現代のサイエンス偏重とエリートのマインド
現代の日本では、大企業のエリートが主にサイエンス重視で、アートにはあまり価値を見いださない傾向があります。
高学歴のエリートはサイエンス的な論理で物事を判断し、「真善美」の欠片が見当たりません。
DeNAやライブドアの事件も、このサイエンス重視の思考様式が背景にありました。
テクノロジーの法整備と日本企業のサイエンス重視
日本企業の中には、テクノロジーの法整備が追いつかない状態でサイエンスに偏重した行動をとり、後に外部からの圧力で抑制されるケースが見られます。
法に触れないなら何をやっても良いという発想が、問題を引き起こしています。こ
れに対してGoogleは、「邪悪にならない」を社是に掲げ、倫理的な判断を大切にしています。
アート型人材の需要と変化
近年、アート型人材の需要が増えてきたと感じます。日本でも欧州同様に、MBAよりもアート学位を持つ人材が注目を集めています。
プロダクト開発において、単なる機能追加ではなく、アートのセンスを取り入れることが求められているのです。
プロダクト開発とアートの融合
プロダクトがレッドオーシャンから抜け出すためには、単なる機能追加ではなく、アートの要素を取り入れる必要があります。
機能だけではなく、審美性を重視したプロダクトデザインが、他社との差別化を実現し、ユーザーに独自性の高いベネフィットを提供します。
アートとサイエンスのバランスが崩れると意思決定は難しくなります。
ユニクロはアートとサイエンスのバランスを保ち、アートを守る体制を整えています。
仕事の場面ではアート感覚でアクションし、サイエンスで守り切ります。
ロジックで考え、アート感覚でアクションすることが大切で、アートとサイエンスの連携が成功の鍵となります。
どうやって「アートセンス」を磨くのか
アートは感覚で体感するもの。
悪いやり方として、デッサンや美術館巡り、アートの本を読むことが挙げられますが、これらは効果が薄いと指摘しています。
良いやり方としては、アートを生活に取り入れることを提案しています。
例えば、品質の高い服を着ることでアート感覚を磨けるとし、ISSEY MIYAKEやCOMME des GARCONSなどを挙げています。
また、アート文化に身を置いたり、好きな音楽を本当に大切にすることでアートセンスを高められると述べています。
まとめ
「美意識」を鍛え、アートとサイエンスのバランスを保つことが、エリートに求められる理由やスキルアップの鍵となることを理解しました。
美的感覚や直感を大切にし、同時に論理的な思考も備えることで、総合的な判断力やスキルが向上します。
「清濁併せ呑むマインド」が重要であり、絶対的な正解がない現代社会では、個々の美意識や判断軸が重要な指針となります。
階層構造への極端な適応や美意識の欠如が、凶悪犯罪などの取り返しのつかない結果を招くことを理解し、バランスを取る重要性が浮き彫りになります。
スキルアップにおいても、知識だけでなく体感や直感を活かし、それを言葉で表現できるスキルを身につけることが重要です。
知っていることを実践できる力や、感覚を他者に伝える言語化のスキルがあれば、より実効性のあるスキルを身につけることが可能です。
エリートがなぜ美意識を鍛え、アートとサイエンスをバランスさせるのか。そ
れは単なるトレンドや流行りではなく、複雑な現代社会において成功するための必要不可欠な要素であると言えます。
これからも自分なりの美意識を大切にし、アートとサイエンスのバランスを保ちながら成長していきましょう。
それが、より豊かな人生への一歩となることでしょう。
アートとサイエンスのバランスが重要であることは、歴史や現代の事例からも明らかです。
プロダクト開発においても、アートの要素を取り入れることが長期的な差別化を生む鍵であると言えるでしょう。
サイエンスだけでなく、アートのセンスも大切にし、ビジネスに新たな可能性を広げていきましょう。