

多くのコンサルファームで取り入れられているケース面接。
志望動機などを答える通常の面接とは異なるので少し身構えてしまいますよね。
このブログでは、実際に過去のケース面接で出されたお題を紹介し、解決へのアプローチや成功の秘訣を共有していきます。
筆者が目指すのは、あなたが次の面接で輝けるようにサポートすることです。
こんな方におすすめ
- コンサルティング業界への就職を志望する方
- ビジネススクールの学生
- 問題解決スキルを向上させたい人
本記事の信頼性

この記事を書いている私は、
- 海外MBA進学・2度の転職経験をもとに自身が所属する香港の団体でキャリア相談を実施
- SNSを通じてES・履歴書・職歴書・志望動機書に関するキャリアサポートを実施(合計30名以上)
- 大学でキャリア構築に関する講義を実施
- ドイツ勤務、外資系メーカーへの転職を経て、現在は外資系コンサルティングファームでビジネスコンサルタント職に従事

相談者視点で参加した、ポジウィルの無料カウンセリング体験を含む、キャリア関連のおすすめの無料ツールについてはこちらでまとめています。
(本ページは一部プロモーションが含まれています)
ケース面接では問われるパターンや思考法などの基礎を徹底的に頭に入れることが重要です。
本ではなく動画で効率的にこのあたりの基礎を抑えたい人は、以下のような講座がわかりやすくお勧めです。
お勧め講座
ケースで学べる!問題解決力トレーニング~2.5時間で基本を学ぶ!~
【考える技術】初心者からプロフェッショナルへ ロジカルシンキング・問題解決フレームワーク完全マスター講座【実践資料付き】
コンサル力を鍛える

コンサルタントとして必要な考える力を養うためには以下を意識する必要があります。
最も効率的であるのは以下のような、コンサル転職に特化したエージェントに登録し無料でケース模擬面接を実施してもらうことです。
コンサル特化型無料転職エージェント
筆者もケース面接対策時には転職エージェントさんには大変お世話になりました。
また、事前知識として以下の本は一通り読んでおくことをお勧めします。
ポイント確認
- ロジカルに考えること
- 生々しく具体的に想像すること
- 分かりやすくアウトプットすること
具体的には、以下を考え表現することが重要です。
・定量情報 ⇒【因数分解】することで具体化して
・定性情報 ⇒【構造化】することで分かりやすく
これらの思考は対策中だけ考えるのではなく、常に意識することで自分自身に馴染ませることができます。
例えば、
- 身の回りのモノ(ボールペンや通勤電車、入ったレストランなど)の市場規模や売上を考える
- 利益向上策を考える
- 新聞や雑誌の記事をみて、掲載されている企業の行動を自分なりに評価する(この行動の意図は?収益向上に貢献するのか?今後も伸びていくのか?他社は追随するか?そもそもいいのかor悪いのか?)
- 自社の経営課題について考える(会社のホームページなどをみて「経営者視点」で考えてみる)
新聞を読みながら、電車に乗っていながら、食事をしながらも問題意識を持てば、何かに気付き、問題を見つけ、さらに考えることが出来ると思います。
何事に対しても、問題意識(なぜ?どうして?他には?)を持つことが非常に重要です。
鍛えたいスキル
- 物事を分解・構造化して考える力
- 具体的なユーザーニーズを想像する力
- 思考の幅出し、深掘り
- 前提や背景の洞察
- 抽象化思考
ケース面接とは

ケース面接は、主にコンサルティングファームに入社時に用いられる面接の一種です。
志望動機などを聞く通常の面接(ビヘイビアと呼ばれることがあります)と異なり、候補者の問題解決能力、論理的思考、分析能力、コミュニケーションスキルを評価するために用いられます。
コンサルティングファームでなくとも戦略的な職種に応募する際に行われることもあります。
ケース面接の特徴

ケース面接は通常の面接とは違った特徴があります。
ケース面接の特徴4つ
- 実務シミュレーション
- 問題解決プロセスの評価
- コミュニケーションスキル
- 時間制限
実務シミュレーション
戦略ファームに顕著に見られますが、候補者には実際のビジネス状況や課題をシミュレートしたケース(事例)が提示されます。
候補者は、与えられた情報に加えて面接官とのディスカッションで得た情報を分析し、解決策や示唆だしを行います。
問題解決プロセスの評価
ケース面接では、問題を分解し、論理的なアプローチで問題に対処する能力が評価されます。
候補者は問題を理解し、適切なフレームワークを使用して解決策を導き出す必要があります。
ケース面接で用いられるフレームワークは以下のような書籍で頭に入れておきましょう。
これらのフレームワークを頭に入れた上で、それらをただはめるだけではなくそれぞれのケースにあった形に組み換え、解決策を提示する必要があります。
コミュニケーションスキル
候補者は自分のアイデアや分析を明確に説明し、質問を適切に尋ねたり、フィードバックを受け入れたりするコミュニケーションスキルも評価されます。
時間制限
ケース面接は通常、時間制限が厳しく、候補者は限られた時間内に問題に対処する必要があります。
短い時間でもその時間内で一旦解き切ることが求められます。
メジャーファームで実際に出題されたケース・フェルミ推定のお題

筆者が独自に就活生にヒヤリングをかけて入手した、各ファームのケース面接お題目です。
戦略コンサルはやはりビジネス色の強い財務分析などを含むテーマ、総合コンサルはフェルミ推定から売上向上施策までのテーマが出題されています。
掲載ファーム
- ADL
- Bain
- DI(次回以降ご紹介)
- Deloitte(次回以降ご紹介)
- KPMG(次回以降ご紹介)
- PwC(次回以降ご紹介)
- Strategy&(次回以降ご紹介)
- Accenture(次回以降ご紹介)
- Abeam(次回以降ご紹介)
- シンプレックス(次回以降ご紹介)
- McKinsey(次回以降ご紹介)
- ベイカレント(次回以降ご紹介)
分量が多くなるのでADLとBainのみご紹介します。それ以外のファームについては次回記事以降でご紹介します。優先的に紹介してほしいファームがりましたらContactよりお気軽にご連絡ください!
ADL
ケース
- 日本の浴衣の売り上げ5年で10倍にするには?
- ライザップの利益を上げるためには?
- 小学生の肥満をなくすには?
- 高速道路の渋滞を無くすためには?
- 山手線の乗客数を増やすには?
フェルミ推定
- 日本国内にあるタイヤの数は?
- 日本国内のジムの数は?
- 日本国内の電車の吊革数は?
Bain
ケース
- バトミントンラケットの市場規模を算出し、それを向上させるための施策を考えよ
- 自動運転タクシーが運用された場合、運賃はいくらになるか
- 缶ビールの売上を推定した上で、売上向上施策を検討せよ
- チョコレート菓子の市場規模と売上拡大施策
- ピアノ製造会社の年間売上とその売上施策
- クライアントはグローバル製薬会社の社長です。この会社は高血圧治療薬Aを扱っている。海外では圧倒的なシェアを誇っているが、国内で思うように売上が伸びない。①この治療薬Aの年間売上高を推定せよ。②売上が伸びないボトルネックはどこにあるのか、それに対する打ち手は何があるか?
- 車保険の市場規模と今後の動向
- ある化粧品メーカーの業務用部屋ケア用品の市場シェアが8年間で半減している。業務用ヘアケアの市場規模を算出し、シェア低下の考えうる原因を述べよ
- 旅行代理店の市場規模に関するグラフを見せられ、代理店スタイル、Web専門スタイルどちらの形態でビジネスを推進すべきか?
- toB市場のシャンプーメーカーの国内市場が低迷している理由とそれを回復するためにはどうすべきか?
- 世界で飢餓に苦しんでいる人々に食糧を届けるためにはいくら必要か?
- マクドナルドの売上向上施策
- 半導体事業に参入すべきか?
- ある婚約指輪企業は後発にも関わらず業績を伸ばしてきた。その理由は何か?
- 今後10年で来日する外国人歓観光を3倍にはどのようにすべきか?
- ある飲料メーカーについて、どのような新規飲料を作るのが良いか?
- 競争が激化しているソフトドリンク市場においてBOSS、おーいお茶、カルピスはなぜ着実にシェアを伸ばしているのか?その成長を維持させるにはどのような打ち手がるのか?
- 1000円カットの売上向上施策は?
- 靴修理やの売上向上施策は?
- 地方銀行のビジネスモデルを踏まえ、PBRが低い理由を述べよ。PBR向上施策は?
- あるスーパーマケットの売り上げを向上させるための施策は?
- ハイエンド向けペットフード市場に大衆向けペットフードメーカーが参入するならどのようなやり方が良いか?
- ヤマダ電機の市場規模が伸び悩んでいる。その理由とそれを解決する施策を考えよ
- AndroidとiOSどちらのアプリを開発すべきか?
- スタバがインドに将来的に何店舗まで出店するか?
- 個人タクシードライバーの売上向上施策は?
- 甲子園大会の経済効果とそれを向上させる施策は?
- ある通信キャリアの売上を推定した上で、売上向上施策は?
- 海運業がリーマンショック後に停滞している理由は何か?
フェルミ推定
- ある大学付近にあるランチ営業をしている居酒屋の1日の売上推定
- 日本のチャイルドシートの市場規模を求めよ
- 京都大学における缶コーヒーの市場規模を求めよ
- iPhoneケースの市場規模
- 健康サプリの市場規模
- 国内テレビの市場規模
- ドッグフードの市場規模
- 1年で購入される冷蔵庫の総額
- 洗剤の市場規模
- あるクリーニング屋の売上規模
- 家庭用洗濯機の市場規模
- 国内におけるiPhoneの売上は?
- ウイスキーの市場規模
- エレベーター1台が一生稼ぐ利益
- 東京のシネマコンプレックス1店舗の売上規模
- 日本国内のチャイルドシートの市場規模
- 日本のテーププリンターの市場規模
- 日本で1日に利用されているビニール袋の数
- 沖縄高級ホテルの売上
- 六本木ミッドタウンのスーパーの売上
- ピアノ教室の市場規模
- 都内のレストラン1店舗の売上
- 東京都全世帯における新聞の年間売上
- 振袖の市場規模
- 東京発博多着の新幹線での週末1日のアルコール売上
- とある空港内に設置してあるガチャガチャの年間売上
- 1年間で購入される冷蔵庫の総額
- ベビーカーの市場規模
- 伊達メガネの市場規模
- ナイジェリアのアルミ缶の市場規模を推定せよ
- 日本の冷凍食品の市場規模は?
- 大学ジムの年間売上額は?
- コーヒーメーカーのリース事業売上は?
- 日本のバスケット人口は?
マッキンゼーのケース面接については、最終面接まで進まれ方からいただいた情報を記事にまとめましたのでご参考ください!
ケース面接の種類

実際のお題を見ていただいてお分かりかと思いますが、ケース面接の種類は大きく次の6つに分けることができます。
ケース種類6つ
- 戦略的
- オペレーション
- M&A
- マーケティング
- ファイナンシャル
- ブレインティーザー
戦略的ケース
この種類のケースは、企業の戦略的な課題や意思決定に関連します。
例えば、新規市場への進出戦略や競合戦略についてのケースが含まれます。
オペレーションケース
オペレーションケースは、プロセス改善や効率化に関連する課題に焦点を当てます。
例えば、生産ラインの最適化、供給チェーンの改善、コスト削減戦略などが含まれます。
M&Aケース
このケースでは、企業の合併や買収に関する戦略的な問題が提示されます。
候補者はどの企業を買収すべきか、合併の実施方法、文化の統合などについて提案します。
マーケティングケース
マーケティングケースは、製品やサービスのマーケティング戦略に関する問題を扱います。
市場調査、競合分析、価格戦略、売上拡大、プロモーション戦略などが含まれます。
フィナンシャルケース
このケースでは、企業の財務や経済に関連する問題が提示されます。
キャッシュフロー分析、投資判断、収益性の向上策などが含まれます。
ブレインティーザーケース
ブレインティーザーケースは、論理的思考と問題解決力をテストするための抽象的な問題を含むことがあります。
例えば、ゴルフボールが溶ける理由を考える、ある建物に爆弾を仕掛ける方法を考えるなどがあります。
面接対策をする際には、志望するファームがどのタイプのケースを出す傾向にあるか把握し、そのケースの解き方に慣れることが重要です。
ケース面接成功のコツ

問題の分解
まず、何を問われているのかを正しく理解し、そこに存在する問題を細かく分解して要素を明らかにしましょう。
問題全体を小さな部分に分割することで、対処が容易になります。
フレームワークの使用
適切なフレームワークを使って問題にアプローチしましょう。
一般的なビジネスフレームワークや市場分析ツールを知っておくと役立ちます。
ロジカルな思考
論理的に分析し、結論を導き出す能力が求められます。答えを出すだけでなく、その過程を説明しましょう。
ケース面接で、面接官は正しい答えを求めているというよりかは、候補者が「どのような指向プロセスを踏むのか」を見ています。
ロジックの飛躍がないよう丁寧に仮説を立て、それを検証しましょう。
仮説は解決策の方向性を示し、論理的な思考を支援します。
クリティカルシンキング
提供された情報に対して批判的に考え、不足している情報を尋ねることが大切です。
例えば、コーヒ屋さんの売上向上の施策を考えよ、というテーマでも1店舗なのか全国の店舗なのか、3ヶ月以内なのか1年後なのか。
面接官とのコミュニケーションを通じて前提を合わせましょう。
時間管理
ケース面接は時間制限があることが一般的です。
タイムマネジメントを意識し、各ステップに適切な時間を割り当てましょう。
ケース面接の練習

ケース面接は独特の形式を持つため、十分な練習と準備が不可欠です。
コツを習得し、冷静に問題に対処するよう努力しましょう。
ケース面接の練習は重要で、自信をつけるために以下の方法が役立ちます:
ケース対策本
ケース対策本には過去のケース面接問題とその解答が掲載されています。
これを使用して問題を理解し、解答を練習しましょう。
異なる種類のケースに対する適切なフレームワークを練習し、問題解決に適用しましょう。
これにより問題を構造化しやすくなります。
模擬面接
コンサルを受けたい、もしくはケース面接の練習をしたことがある友人と模擬面接を行うことで、実際の面接に近い状況で練習できます。
相手が面接官役を演じ、時間制限を設けて問題を解く練習が大切です。
新卒の場合は、コンサルティングファームが主催するセミナーでケース面接対策をしてくれるケースがありますのでチェックしてみましょう。
転職組の場合は、コンサル専門の転職エージェントを利用することでケース面接の練習をすることができます。
筆者も実際に全て登録し活用しました。どれも5分ほどで登録ができます。
そして、練習の際、相手からフィードバックを受けることが成長に繋がります。弱点を特定し、改善点を把握しましょう。
まとめ: ケース面接は怖くない!

ここまでこのブログを読んでくださり、本当にありがとうございます。
コンサルティングの世界で輝ける未来に向けて一歩踏み出す準備を整えるのを少しでもサポートできたら嬉しいです。
ケース面接の舞台裏を垣間見て、問題解決のスキルを磨くためのアドバイスやヒントを共有しました。
忘れないでください。
成功への鍵は練習と自己信頼です。
ケース面接の問題に向かい、冷静に論理的な思考でアプローチし、自信を持ってプレゼンテーションしましょう。
これからも新しいケースやキャリアに向けた情報を提供していきますので、ぜひブログをお楽しみにしてください。
あなたの未来が明るく、素晴らしいキャリアの一歩を踏み出すことを楽しみにしています。