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【職歴書・ES作成のポイント】ここだけは押さえておくべき|実例とともに解説

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悩んでいる人
職歴書やESを作成しているのだけど何に気をつけて内容を考えたら良いのだろう?

そんなお悩みにお応えします!

ポイント

職歴書やESはあなたをアピールする最重要資料の一つです。この位置づけを正しく理解し、職歴書・ES全体の文章構造をはじめ、各要素の具体化・定量化など各ポイントを意識して作成を進めましょう。

本記事の内容

  • 職歴書・ESの位置付け
  • 職歴書・ES作成時に意識すべきこと

こんな方におすすめ

  • 職歴書・ESの書き方を学びたい
  • 志望企業の内定獲得可能性を高めたい

就活生向けESの書き方に特化した内容はこちらの記事をご参考ください。

本記事の信頼性

たか

この記事を書いている私は、

  • 海外MBA進学・2度の転職経験をもとに自身が所属する香港の団体でキャリア相談を実施
  • SNSを通じてES・履歴書・職歴書・志望動機書に関するキャリアサポートを実施
  • 国家資格キャリアコンサルタント合格(オールA評価)
  • ドイツ勤務、外資系メーカーへの転職を経て、現在は外資系コンサルティングファームでビジネスコンサルタント職に従事

これまでの当社サービス利用者様からいただいた声(抜粋)はこちらをご覧ください。

過去3年間、職歴書やESの添削支援をさせていただいてきました。

また自身もMBA留学や転職を経験し、その度にプロの方へ添削を依頼したことで、書類作成のポイントを理解してきました。

今回はそれらの経験を活かし、筆者が書類をレビューさせていただく際に意識しているポイント(=書類作成時のポイント)をご紹介したいと思います。

(本ページは一部プロモーションが含まれています)

大前提:職歴書・ESの目的

職歴書やESは自己紹介ツールではありません。

企業に対して、あなたを採用する理由を提供する、つまり自身をアピールするツールです。

稀に、職歴書を求人票のジョブディスクリプションのように記載する方がいます。

それでは仕事の紹介になってしまい、企業としては応募者をなぜ採用しなければならないのかわかりかねます。

自分をアピールするためには、具体的な成果や実績を明確に記載する必要があります。

また書類全体の構成も戦略的に設計する必要があります。

全体構成から細部に至るまで、作成時に意識するポイントを次の章から説明させていただきます。

結論:職歴書・ES作成のポイント

職歴書・ESを作成する上で、最低限意識すべきポイントをご紹介します。

自分で作成しているときには抜けがちなポイントもありますので、ぜひ意識して書類を作成してみましょう。

意識するポイント5つ

  1. 書類全体の構造
  2. 職歴内容の構造
  3. コンテンツの具体性
  4. コンテンツの定量化
  5. 成果を記載

書類全体の構造

意外と抜けがちなのですが、1つ1つの要素はさることながら、職歴書やESを1つのパッケージとして全体の構造を戦略的に構成する必要があります。

具体的には、重要なものや最新の事象を上部に持ってくることです。

日本の履歴書では中学高、高校、大学(大学院)と古い順から物事を記載するケースが多いです。

しかし職歴書やESはとにかく数ある書類の中からあなたの伝えたいことを的確に伝える必要があります。

そこで、面接官に効果的に伝えたいことが伝わる(アピールできる)ように、伝えたいことをはじめに記載することを心がけます。

結論ファーストという表現も同様で、問いに対してまずは結論を述べることが重要です。

例えば、「転職検討理由」の問いに対する回答として、以下の表現では直接的な回答になっておらず、多忙を極める面接官に伝えたいことが正確に伝わらない可能性があります。

(例文)幼少期を中国で過ごし、後に鳥取県で育った私は、国際大都市に変貌した前者と、過疎化が進み地元産業が廃れゆく後者の強烈なコントラストを目の当たりにし、日系企業の事業発展及びグローバル展開をサポートしたい情熱を胸に金融業界に飛び込んだ。...(略)...DXやGXを始めとして各業界に創造的破壊が起こる激変の時代において、今後のキャリアでは、企業の単なるサポート役ではなく、自らが事業を創出する側に立ち、かつ業際を活かした価値創造を手掛けていきたい。

折角ストーリーが良いだけに最後まで読まないと転職検討理由がわからない点は少し勿体無いです。

この場合は、まず最初に転職を検討した理由を述べ、その後に付随するストーリーを記載して肉付けしてあげる構造が望ましいです。

(例文)今後のキャリアでは、企業の単なるサポート役ではなく、自らが事業を創出する側に立ち、かつ業際を活かした価値創造を手掛けていきたいため。私は幼少期を中国で過ごし、後に鳥取県で育った私は、国際大都市に変貌した前者と、過疎化が進み地元産業が廃れゆく後者の強烈なコントラストを目の当たりにし、日系企業の事業発展及びグローバル展開をサポートしたい情熱を胸に金融業界に飛び込んだ。...(略)

さらに職歴書に記載する順番は最新のものを上に、またボリュームも最新のものほど多く記載することを推奨します。

元CNNの講師から教わった内容をベースに筆者にて作成

年次が上がるに連れて、できることや責務が増えたことを、文章量をコントロールすることで職歴書の1パッケージ内で表現します。

このようにすることで職歴書全体を見たときに自身の成長を訴求することにつながります。

職歴内容の構造

職歴内容をジョブディスクリプションのように記載してはいけません。

ジョブディスクリプションとは以下のような、職務概要や内容を示したものです。

特にコンサルティングファーム向け職歴書で用いられることが多いフレームですが、以下を意識して記載することでアピールに繋げることができます。

必ずしも全ての要素を盛り込む必要はなく、文字数制限や目的に応じ柔軟に変化させることで良いです。

  1. 概要
  2. 課題
  3. 工夫
  4. 成果
  5. (学び)

まずは業務概要。

端的にどのような業務なのかを記載します。

(例文)日系最大手自動車向けコーポレートブランディング戦略の構築

続いて、業務遂行上で課題となる事象について記載します。

(例文)『“いいクルマ”のブランディング要素を明確化し車両づくりへ落としこみたい』という取り組みに前例がなくその定義することが困難であった。さらに、ブランディングに関する情報は高度な機密情報であるため、他社事例を調査する事が非常に困難な事が想定された。

課題を解決するために自分がどのような工夫を行なったのか、何を考えどのように行動したのかを記載。

(例文)ブランド価値経営に卓越しているA社、B社、C社、D社のR&D役員20名からヒアリングを重ね、各社が長年積み上げてきた車両コンセプト策定から製品への落とし込み手法を解明した。

そしてもっと強調すべき成果を記載。

(例文)クライアントへ応用すべき要素を特定し主査を含めた車両開発チームへ提言しディスカッションを重ねることで、クライアントの企業文化に根差した提案に論点整理をすることができた。これらの論点に基づきXといったコーポレートブランをの構築を達成。

マストではありませんが、最後に当該業務から得た学びを記載します。

このようにすることで、志望企業でどのようにその経験を活かして活躍するのかに紐付けることが可能です。

現職で評価されているスキルや経験が必ずしも志望企業で同様に評価されるとは限りません。

よって、志望企業先で活かすことのできるスキルの仮説を持ち示すことで、面接官に対してあなたがその企業で活躍する姿をイメージさせることにつながります。

コンテンツの具体性

職歴書やESは自分のことについて書いているので、書類を作成している自分にとっては当たり前の内容を事前と省きがちです。

しかし、職歴書やESは面接官に伝わって初めて効果を発揮します。

よって、あなたのことを知らない人が見ても、きちんと理解できる粒度で内容を記載してあげる必要があります。

そこで書類添削時に最も多くアドバイスさせていただく内容がコンテンツの具体性です。

(例文)新規開拓や既存顧客への実績拡大のための営業、クレジットアナリストとして財務分析業務も経験。

なんとなく、新しいことに取り組んで会社に貢献したことや財務分析を経験したことがわかります。

しかし、例えば「新規開拓」と一口に言ってもその対象は様々です。

初見の人が見ても分かるように何の新規開拓なのか、具体化していきたいです。

実績拡大も同様に、何の実績なのか、その対象を具体化する必要があります。

以下のように具体性を持たせることで、自分が従事してきたことをうまくアピールすることができます。

(例文)株式・投資信託・債権といった金融商品の新規開拓や既存顧客への資産運用に関する実績拡大のための営業。また、クレジットアナリストとして財務分析業務を実施し、企業経営の現状把握・将来予測に基づく経営者の意思決定を支援。

具体性を増すには自分だけではなく他者の観点を入れることが重要です。

ある程度文章が完成した段階で友人や知人に見てもらい、不明点や疑問が残らないか確認すると良いでしょう。

筆者もMBA受験時代、元CNNキャスターに職歴書を添削してもらいました。

CNNはアメリカのニュース配信企業であり、言わば、限られた時間でわかりやすく物事を伝えるプロです。

確か指導料として、20,000円/90分支払っていました。これを3、4回利用した記憶です。

自分では完璧な文章を作成したと思っていても毎回「Be specific!(もっと具体的に)」と指摘を繰り返し受けていました。

具体性を持たせることは思ったよりも難しく時間を要しますので、他者の視点を取り入れつつ何度もブラッシュアップすることを推奨します。

コンテンツの定量化

具体化の1手法ではありますが、定量化できる部分は可能な限り定量化すべきです。

なぜかというと、定量化することでその事象や実績を面接官に対して客観的に伝えることができるためです。

例えば、次の例ではどこを定量化するべきでしょうか。

短期間と記載のある部分は、具体的に何ヶ月であったのか定量化する余地があります。

(例文)ステークホルダーに納得頂ける諸リスクの対応方法を検討し、審査部への相談や説得、また顧客との保全や融資契約書内容の交渉を行うことや、契約書の作り込みを行うことで短期間での実行を実現。

またその際に通常と比べてどれだけ短縮できたのかを記載できるとその効果が伝わりやすいです。

(例文)ステークホルダーに納得頂ける諸リスクの対応方法を検討し、審査部への相談や説得、また顧客との保全や融資契約書内容の交渉を行うことや、契約書の作り込みを行うことで通常半年かかる工程をわずか2ヶ月で実行することに成功。

短期間といった際の実際の期間は人によって感覚が異なるため、定量化することでFacts(事実)に客観性を持たせることができます。

このように感覚値で面接官に成果や苦労を感じ取ってもらうことは期待せず、正しく事実が伝わるように定量化することを心がけましょう。

成果を記載

職歴書・ESはあなたをアピールするツールです。

そのため、実施したことだけではなく必ず実績や成果を示すようにしましょう。

(例文)既存顧客への提案の他、1年半にわたる訪問・提案の末に自動車部品会社及び海運系組合などの新規顧客と取引を開始。

成果とは会社やクライアント、社会にもたらしたインパクトを指します。

上の文では、新規顧客との取引を開始したことが記載されていますが、その結果誰にどのような影響を与えたのかが読み取れません。

例えば、売上高を創出したと記載することでその貢献度が伝わり、ぐっとアピール力が高まります。

(例文)既存顧客への提案の他、1年半にわたる訪問・提案の末に自動車部品会社及び海運系組合などの新規顧客と取引を開始。年間50億円の売上高を創出。

逆にアピールにつながらない事象は思い切って削除することを推奨します。

文章は適度な短さが好まれますので、無駄な情報を書類に記載し情報を膨張させることを回避する狙いです。

伝えたいことを端的に記載する、これが職歴書・ES作成時の鉄則です。

まとめ:効果的な文章作成には抑えるべきポイントがある

言うは易く行うは難し。

まさにこの格言が身に沁みますが、実際に職歴書・ESを作成してみるとなかなか思うように進みません。

そのような場合はいきなり書類作成に進むのではなく、自己分析を行うことをお勧めします。

己を理解することでアピールすべき要素やそれに紐づくストーリーを整理することができるためです。

要素出しができたら文章作成に入ります。

職歴書・ESは今回ご紹介したポイントを押さえつつ、戦略的かつ構造的に作成する必要があります。

また他者のフィードバックを適宜入れることで、より面接官に伝わりやすい書類を作成することが可能です。

一部の文章であれば無償でレビューさせていただくことも可能ですので、まずはお気軽にご連絡いただければと思います。

皆さまのキャリア実現を心より願っております!

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