これまで3ヶ月間、メンターとして就活をご支援させていただいた某有名大学のTさん。
先日、第一志望のコンサルティングファームから内定をいただいたと報告がありました。
もともと素直で頭の切れるTさんだったので、内定はいただけるだろうと予測していましたが、実際に内定をいただけて自分のことのように嬉しく思いました。
そんなTさんから、「入社前に読んでおいた方が良い書籍は何か」と質問を受けました。
これは就活で内定が出た学生の多くに当てはまる疑問だと思いますので、今回は筆者の視点で考える読んでおくと良い本をご紹介したいと思います。
ポイント
「物事の考え方」と「業務作業に関わる技法」の2つの視点で合計
こんな方におすすめ
- 就活が終了したので社会人になる準備をしたい
- ロジカルシンキングに関する上質な書籍を知りたい
- コンサルが参考にしている思考法に関する本を知りたい
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、
- 海外MBA進学・2度の転職経験をもとに自身が所属する香港の団体でキャリア相談を実施
- SNSを通じてES・履歴書・職歴書・志望動機書に関するキャリアサポートを実施
- 国家資格キャリアコンサルタント合格(オールA評価)
- ドイツ勤務、外資系メーカーへの転職を経て、現在は外資系コンサルティングファームでビジネスコンサルタント職に従事
(本ページは一部プロモーションが含まれています)
結論:最低限読んでおくべき本たち
今回は大きく分けて2つの枠でおすすめの本をご紹介します。
一つは物事の考え方。
もう一つは、業務作業に関わる技法。
メンティーのTさんが内定をいただいた企業、及び筆者の所属する企業がコンサルティングであることからややコンサル寄りの内容ではありますが、どれも社会人としてベーシクかつ大いに役に立つ書籍ですので気になったら読んでみることをお勧めします。
尚、本記事の執筆にあたっては筆者の所属する企業の課題図書をベースに実際に筆者が良いと思ったものを足し引きしてご紹介しております。
本記事後半でご紹介した本の一言メモを残しておりますので、本を読む際の参考にしていただけると嬉しいです。
考え方に関する本
業務作業に関する本
大前提:本の内容を1度で理解し切らなくて良い
事前知識や所属する業界により、読み応えのある本、そうでない本があると思います。
また、学生の方が本記事をお読みになっている場合、おすすめの本を読んでもなかなか手触り感が得られないこともあるかと思います。
焦らなくて大丈夫です。
経験値に応じて理解できるようになります。
理解した上で同意するものを取り入れていけば良いのです。
現時点で大丈夫なことは、本の内容を理解し切ることではなく、「そんな考え方もあるのか」と頭の中に引き出しを新たに作ることです。
引き出しを作ることで実際に仕事をして何かに直面した際に、「そういえばあの本にこんなことが書いてあったな」と思い出し、後から振り返ることができるからです。
なので現時点では流し読みでも構いませんし、読んでみて違和感があれば手放してしまっても良いとさえ筆者は考えています。
おすすめ10冊に関する一言メモ
考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則
コンサルなら必ず読んだことがあると言って良いほど有名なロジカルシンキングの本です。
元マッキンゼーのバーバラミントさんの著書であり、筆者がMBA在学中も教授からお薦めされました。
私の上司はこの本の内容が物事の考え方の全てであるとまで言っていました。
イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」
これまた元マッキンゼーの安宅さんの著書です。
いかに物事の本質を見極めて質の高いアウトプットを出すかということについてわかりやすい図解とともに解説されています。
図解がふんだんに使われているので、読了後の腹落ち感が強いと思います。
仮説思考
元BCGの内田さんの著書。
仮設思考という言葉はコンサルでもよく言われますが、この本では「良い仮説を立てるための頭の使い方」が説明されています。
仮説の精度は実際にプロジェクトの中で鍛錬するのが近道ではありますが、仮設建の思考法を頭に入れておくことで更に高速に仮設精度を高めることが可能となります。
企業参謀 戦略的思考とは何か
元マッキンゼーの大前研一さんの著書です。
こちらは筆者がMBA在学時、企業戦略の講義で教授から推薦された本です。
本に出てくるビジネスケースは比較的古いのですが、企業が成功する本質的な核の部分は大きく変わらないため多いに参考できる内容となっています。
コンサルとは、企業戦略とは、について大前さんが定義している書籍です。
戦略「脳」を鍛える
元BCGの御立さんの著書。
BCG流とありますが、経営や企画などの上流に関わる社会人にとって重要な要素が詰まっています。
非常に読み応えがあるので、まずはおすすめの本1-4を読んでから目を通すと比較的すんなりと理解することができると思います。
外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック
経営コンサルタントの山口秀さんの著書。
時には一枚100万円以上にもなると言われるパワーポイントのスライド。
わかりやすい資料作成にはそのための技術が必要であるため、スライド事例とともに各種技術が解説されています。
外資系コンサルの資料作成術---短時間で強烈な説得力を生み出すフレームワーク
ビジネス向けのスライドを全く作成したことのない人にまず読んで欲しい本です。
これは筆者の上司が新入社員の時に読んでいた書籍です。
スライドにはいくつか型があるので、まずそれらの型と用途をベースとして頭に入れて、実際のプロジェクトでインプットを増やすとより高い成長曲線を描くことができます。
ほとんど図式で示されているので、15分ほどで読めてしまうので、さっと読んでみるのはありかもしれません。
ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術
この本はマクロやエクセル関数といった、エクセル機能の紹介や財務分析の本ではありませんのでご安心ください。
著者が所属した外資系投資銀行(証券会社の投資銀行部門)の徹底的にルール化されたエクセルの基礎スキルが解説されています。
全ての内容をマスターすることは難しいと思いますが、企業によっては似たような運用をしていたり、入社後にあなたがエクセルを整備したりする際に生きてくるであろうスキルと考えます。
外資系コンサルのリサーチ技法
コンサルファーム入社後、新卒採用の場合はアナリストとして上司が求めるデータなどのFactsを収集、分析する機会が多いと思います。
そのような場面で抜群の威力を発揮するのがこの本です。
手法を知っているのと知らないのでは業務効率が大きく異なるので、これは読んでおいて間違い無いかなと思います。
意思決定のための「分析の技術」
非常に読み応えがあります。
データの切り口と方法論について、豊富な事例をもとに、有効かつ実行可能な、全体最適の経営判断を導く戦略思考の枠組みが示されています。
何度も読み直したい本の一つです。
まとめ:書籍を通じて思考法を「知る」
書籍を読むことで、効率的な業務、成長に関する手法を知ることができます。
冒頭で述べた通り書籍を読むだけで全てを理解することはほぼ不可能だと思いますので、実践を通して自身のスキルとして血肉化していくとこが必要です。
実際筆者はバーバラミントさんの書籍を机から手に届く場所に置き、上司から受けた指摘をその本に書き込んでいます。
本を読むだけではわからないこともあるのでプロジェクトを通じてブラッシュアップすることで次第に意識せずともスキルを使えるようになります。
新社会人もすでに社会時をの方も今回お薦めした本で気になるものがあったらまずは読んでみることをお勧めします。
そしてその本が良いなと思ったら、また他の方にお勧めしてみると誰かを救うことができるかもしれません。