コーチング

CPCC取得の大前提:有料クライアント募集というプロへの洗礼

CTI上級コースへ進む際の最大の懸念事項は何だろうか。

100万円近い投資額、毎週数時間を捧げる覚悟……。

しかし私の場合、何よりも心を占めていたのは「有料クライアントをどう集めるか」という、あまりに切実な心配事であった。

本記事の筆者

たか

この記事を書いている私は、

  • 海外MBA進学・2度の転職経験をもとに自身が所属する香港の団体でキャリア相談を実施(累計200名以上)
  • コーチング・キャリアコンサルティングを専門とするAscent株式会社 代表取締役(コーチング歴:5年)
  • プロコーチ(国際コーチング連盟認定 ACC / 米国CTI認定 CPCC / Gallup認定ストレングスコーチ)
  • 国家検定 キャリアコンサルティング技能士2級/ 国家資格キャリアコンサルタント

CPCC取得には上級コースへの参加が必須であり、その条件の一つには、最低5名の有料クライアント確保が掲げられている。

資格のない自分が対価を得る。

今振り返れば、それは単に学んで終わりという「ただの人」から脱却するための、凄まじい覚悟を問う本質的な要件だと思える。

しかし当時は、そこに巨大なメンタルブロックが立ちはだかっていた。

「断られたらどうしよう」「お金を取るなんて図々しくないか」 様々なサボタージュが耳元で囁き続ける。

私はこの不安を、プロとしてのスタンスと仕組みを整えることで突破した。

私は上級コース開始時には6名、ありがたいことに終わる頃には10名のクライアントさんがいた。

これらのクライアントさんがいたからこそ、最速でCPCC試験に臨み合格することができた。本当に感謝しかない。

プロとしてのスタンスと値決めの葛藤

まず、「練習させてください」という甘えを捨てた。

コーチングは互いの魂をぶつけ合う本気の対話だ。

コーチングは、相手の魂とコーチとしての魂をぶつけ合う本気の対話の時間でもあるし、練習だとコーチとクライアントで作る最高のコーチングセッションはなかなか実現しづらい。

そう言った意味では、コーチ自らがコーチングの力を信じ、相手のことを願って丁寧に説明を行い、その価値に応じた対価をいただくべきである。

しかし、お金をいただく決意はできてもやはり値決めは迷う。

私はCTIのweb page中、コーチを探すのページでおおよその単価を調べた。

安い人で1万円、高い人は青天井。そんな感じだった。

結果的に5,000-20,000円/60分で契約を結んだ。

価格にばらつきがあるのは、契約を結ぶまでの信頼関係やクライアントが求めているもの及びコーチング実施頻度と伴走期間による差である。

また、「メニューのないピザ屋では注文できない」のと同じで、何を提供するのかを可視化された資料は必須だ。

私はパワポ30枚に及ぶ資料を作成した。

コーチングに触れたことがない人に対して、ふわっとしたものをふわっとしたまま理解してもらうのは難しいことが多い。

なので、自分の「意訳」も入れながら、コーチングがあなたにとってどんな意味を発揮するのか、なんで私がそれを提供するのかを丁寧に説明する資料を作成した。

実際に作成した資料

この資料を提示して断られたことは、いまだに一度もない。


作成にあたってはセールスコーチングを実際に受けたり、動画などで取り入れられるものは全部取り入れた。

100時間を突破するための6ヶ月契約

上級コース期間中に求められる「100時間のセッション実績」をクリアするには、戦略が必要だ。

せっかく獲得したクライアントも途中で契約打ち切りとなっては、上級コース中に不安になると思うので、私の場合は2回/月×6ヶ月のプランで基本的に契約した。

単発セッションを繰り返すのは、精神的にもスケジュール的にも不安定すぎる。

例えば、5人のクライアントとそれぞれ12回(6ヶ月)継続できれば、それだけで60時間が積み上がる。

とはいえ、結局はクライアントさん次第ではあるし、双方がオープンに議論できれば、途中解約もありなのだが、6ヶ月で100時間行くようなサクセスストーリーは持っておくに越したことはない。

今思うと、腹の底からクライアントさんファーストと言い切れない思考も私にはあった気がするが、結果的にクライアントの皆さんがコーチングの価値を感じで本質的な変化を起こしてくれたので、この巡り合わせに感謝しかない。

誰にアプローチしどう魂を込めるか

ここまで来れば、次の難題は「誰にアプローチするか」である。

まずはハードルが低い人から契約を結び、小さな成功体験をコーチ自身が得ることがとても重要であると考える。

では、ハードルが低い人とはどんな人か。

それはコーチであるあなたをよく知る人であり、喫緊で何かしらのモヤモヤを抱えている人である。

前者はある程度こちらで目処がつくが、後者のその人がモヤモヤを抱えているか否かはこちらだけでは分かりかねる。

究極的には、大きさこそ異なれ、皆誰しもがモヤモヤは抱えている。ただ、こちら側の気持ちとして「その人に本気で伴走したいか?」も合わせて見極める必要がある。

これは友人関係の延長で築かれる馴れ合いではなく、プロのコーチとして本気で介入する魂の営みであるからだ。

相手と自分の気持ちを理解するためにはやはり話すのが一番早い。

私の場合は、instagramで知人が投稿している内容を見て「あ、今何か力になれるかも」というアンテナが立ったら、キャッチアップかねて話さないか打診した。

その際に、今プロコーチとしても活動しているので、30分でも体験してみないかとあらかじめ合意を得ておく。

大抵の人は「コーチングって何?」状態なので、「その辺も含めて今度話すときに伝えるよー」と言った感じで、まずは会話するきっかけを作る。

私の場合は結果的に、前々職の同期、身内、社会人になって参加した学びの場で出会った方、中学校の同級生、友人の紹介あたりがクライアントになった。

この中でも特に友人の紹介が強く、私のことを私では無い他の人が勧めてくれている点が、ポテンシャルクライアントに安心感と期待感を抱いてもらいやすい。

話は逸れるが、私が初めてマイコーチを見つけた際、30万円で契約を結んだのはまさにこのパターンだった。

私の知り合いがその方を紹介してくれて、「まず話だけでも聞いてみるか」程度の気持ちだったにも関わらず、翌週にはコーチング契約を結んでいた。

知人からの紹介は最も説得力のある営業なのかもしれない。

クライアントを探す中で、コーチングというワードを出した途端会話が切れるケースも正直あった。

コーチングが何かわからず興味を失う、セールスだと思われて毛嫌いされる、怪しいから近づきたく無いと思われる…様々な理由があると思うが、この辺りはある程度割り切るしか無い。

名実ともにプロコーチになった暁には、自身や業界がもっと認知してもらえるようにいくらでも努力できる。

8名ほどに話をして、実際にコーチング契約を提案したのは6名、契約したのは6名と言った感じだ。

話をする中でコーチングでは無いかなとこちらが思ったり、相手があまりにも求めていないと感じた場合には、こちらから話すことをやめた。

押し売りをする必要は全くなく、いいものを必要な人に届いて欲しいという気持ちを持って、元々築いていた関係性が崩れないように意識した。

CPCCを取得した今、関係性が壊れたらどんなことが起こるのか、そこに好奇心が向けられたりするので、今であればもっとぐいっと関わりにいけると思う。でも当時の自分にとっては正直無理だった。

私は自分自身が体験した変化をありありと伝えることで、コーチングの価値を丁寧に紐解いていった。

契約率を高める事前アンケートとクロージング

言い忘れたが、キャッチアップの約束を取り付けた後には、簡単な事前アンケートを送ると良い。

今の仕事や住まい、悩みなどをあらかじめ入手するのだ。

その人が今人生のどのあたりにいるのか仮説を立てたり、悩みについて考察することで、セッション自体が生き生きとすることが多い。

もちろん、「この瞬間から作る」ことがとても重要なので準備しすぎることは御法度だが、ほんとうに0ベースでキャッチアップをし出すと2時間あっても足りなくなるので、そうならない工夫はしたほうが良い。

また事前アンケートに取り組んでもらうとクライアントも頭の整理ができたり内省に入ることができたりするので、コーチ、クライアント双方にメリットが生じる。

少しテクニック的な話になるが、事前アンケートには、ある設問を置いた。

「必要に応じて、有料コーチングのご案内をすることがあります。ご了承いただけますか?」

これ一言で、後半の提案は、不信感から誠実な提案に変わる。

この項目がないと、クライアントは「久々に話せたのに、最後はセールスなんだ」と不信感を抱く可能性がある。

これは本心ではないと思うので、あらかじめクライアントに心構えをしてもらうためにもこの項目は有効だ。

クロージングの際、私はこう背中を押した。

「人はいつからでも、どこからでも変わることができる。そして、私も誰にでも提案しているわけではない。あなただから、提案している」


当日意思決定してくれた場合のインセンティブを用意するなど、工夫できることはいくつかあるが、余り「売ろう」とするのではなく、「巡り合う」という感覚を意識して目の前の人に関わることでクライアントはきっと見つかる。

有料化がもたらした変化

8名に提案し、6名と契約した。

残りの2名には提案を深追いしなかった。

現状に心から満足している、あるいは変化への恐怖が強く出費を恐れている。

そう判断した場合は、押し売りをしないのが私の信念だ。

むしろ、有料で契約した6名のコミットメントは凄まじかった。

無料の練習台だった頃とは明らかに違う。

月2回というハードなペースに対し、彼らは毎回必ず自らテーマを持って現れ、本質的な変化を起こしていった。

お金をいただくということは、クライアントの本気を引き出すガソリンにもなり得ることを実感した。

コーチング契約が結べるように、契約書はきちんと用意したい。

ちなみに、あまりいないと思うが、自分がコーチングを受けたことがないと、自分のコーチングは売りづらいと思う。コーチングの価値をクライアントとして自分が体験できていないから。

逆にコーチングを受けているとその価値を身をもって理解できているので、他の誰かにコーチングを勧める際の言葉に魂が籠る。

契約書などは自分がこれまで受けたコーチングで使っていたものを参考に準備しておく。

契約が決まったら、1時間以内に「GMOサイン」で契約書を送付した。

鉄は熱いうちに打て、だ。

この事務スピードとデジタルツールの活用が、クライアントに、この人はプロだという安心感と信頼を与える。

結局はなんとかなる

空回りの失敗もあった。

チラシ1,000部をばら撒いて反応ゼロだったこともある。

デジタルになって久しい現代。そんな今たまからこそアナログでやったらどうなるのかなと思い、チラシを作成しクライアント集客を企てた。

Canvaでデザインし印刷。

最終的には1000部のチラシを、東京、静岡、熊本でばら撒いた。

結果、クレームすら来ず反応は0。

自分でデザインするという自己満と健康の定めの散歩のみが手に入った。非常に残念。

ただ、「あのときこんなこともやっておけばもっと人と巡り会えたのかも」と思うよりはずっとマシだ。

HPつくって、Facebookでアナウンスして、、これだけでコーチングを受けてくれる人がいれば良いのだが、現実はそうでもない。

なのでまずは身の回りから、自分の視界がクリアな領域から丁寧かつ泥臭くアプローチしていくのが正攻法なのではないかなと、自分は感じてある。

実際に上級コースを終えて思うのは、結局はなんとかなるということ。

やりたい、やれそう、と思ったら行動してみると良い。

今まで自分に自信がなくて声をかけていなかっただけで、コーチングか何かを問わずに、コーチングのスキルを必要としている人は案外あなたの身近にたくさんいる。

そういえば、Co-leadをされているある方が、ご自身が上級コース中、クライアントを探してスーパーのレジの人にまでコーチングのお誘いをしていた、と言っていた。

それほど必死というか、良いものを信じて巡り合わせるための営みができる状態が上級コースには覚悟として求められるのかもしれない。

身近な領域から丁寧かつ泥臭く動くこと。

自分がプロとして活動することが、コーチング業界全体の信頼に繋がる。

そう信じて一歩踏み出すとき、あなた自身とクライアントの可能性は、劇的な相乗効果で広がっていくはずだ。


コーチングセッションのご案内

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

ACC取得への道は、単なる「試験合格」以上の意味がありました。それは、自分自身のコーチングを改めて客観的に見つめ直し、世界基準の「コーチの在り方」を再確認するプロセスでもありました。

もし今、あなたがこの記事を読んで「このコーチと一緒に自分の可能性を探ってみたい」と感じてくださったなら、ぜひ一度お話ししませんか?

私は、クライアントが「本当はどうしたいのか」という心の奥底の声に耳を傾け、共にワクワクしながら新しい一歩を踏み出す伴走をしたいと考えています。

  • 「もっと自分らしく、挑戦していきたい」
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そんな想いを持つ方からのご連絡を、心よりお待ちしています。試験を突破したばかりの、この熱量そのままに全力でサポートさせていただきます。

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