コーチング

米国CTI認定コーチング資格と私

本記事の筆者

たか

この記事を書いている私は、

  • 海外MBA進学・2度の転職経験をもとに自身が所属する香港の団体でキャリア相談を実施(累計200名以上)
  • コーチング・キャリアコンサルティングを専門とするAscent株式会社 代表取締役(コーチング歴:5年)
  • Gallup認定ストレングスコーチ
  • 国家検定 キャリアコンサルティング技能士2級/ 国家資格キャリアコンサルタント

コーチングとの出会い

私がコーチングというものに初めて出会ったのは2021年、国家資格キャリアコンサルタントの学習を始めた時である。

クラスメイトの中にCPCC取得者がいたのだ。

当時はCPCCというものを知らなかったが、あとになってその存在を知った、というのが正しい。

CPCC(Certified Professional Co-Active Coach)とはCTIが認定する資格であり、資格取得者のことをCPCCと呼んでいます。CPCCを取得するにはコアコース(計104時間)を受講し、さらに上級コースでは約半年間のプログラムや100時間以上のコーチング実践などを積み重ねることになります。そして最後の口頭試験に合格をすると晴れてCPCCとなります。(CTI公式HPより引用)

CTI(Co-Active Training Institute)とは、コーチングの源流とされる国際的な組織で、世界で初めてICF(国際コーチング連盟)の認定を受けた「Co-Activeコーチング」という実践型トレーニングを提供しています。座学ではなく、参加者が自らテーマを持ち込み、コーチングのスキルや本質を体験しながら学ぶことを重視し、個人の可能性を引き出すことを目指す、非常に影響力のあるコーチングスクールです。(CTI公式HPより引用)

それから1年ほどコーチングの存在はあまり意識していなかった。

その後、ポジウィルという会社で副業として業務委託契約をした際に社員の方がCTIでコーチングを学んだということを言及したことから、CTIという存在を知った。

コーチングはなんとなくもう少し先で学ぶもの、または現段階では学ぶ必要があるかはわからないものに過ぎなかった。

キャリコンとしての活動を続けるうちに、キャリアという枠を超え、クライアントのあらゆる側面に関わりたい、その必要があると感じていた。

その度にGoogleで「コーチング 資格」などとと検索し、気づけばCTIのHPを見ていた。

今、鮮明に覚えているのは、2023年、スイスに行く数週間前に興奮からか、謎に朝3時くらいに目が覚めて寝付けず、ぼーっと朝日を見ながらCTIの金額を調べていたこと。

あの紫色ベースのおしゃれなグラデーションが施されたHPを忘れられない。

なぜそのHPを見ていたのか理由は思い出せないが、基礎コースから上級コースまで行くと180万円ほどかかることに驚き、「自分はここまで本気にはなれない。高い」と諦めたことは覚えている。

その後、コーチングとは離れていたのだが、ある時、ポジウィルの認定トレーナー仲間で集まり話をしているときに、私は自分のキャリアについて悩みを打ち明けた。

確か5人くらい私の他にその場にいたと思う。

5人にコーチングをしてもらった感覚で、人に話を聞いてもらうことの真の価値を感じた気がした。

よくよく聞くと、5人ともコーチングを受けておりそこで自己理解が進んだとのこと。

そのうちの1人が私のコーチ(マイコーチと言ったりする)を紹介すると言ってくれた。

海外大学院進学時にエッセーと呼ばれる入学願書を書く際にひたすら自己分析をした自負があった私は、正直コーチングを受けたところで何も変わらないだろうと気が進まなかった。

とはいえ、せっかく進めてもらったのだから、ものは試しだと思い体験セッションに臨んだ。

体験セッションは確か5,500円ほどで、当時の私は体験なのにお金を取るんだ、と思っていた。

あとになって、有料でよかったと感謝することになる。

体験セッション当日、自宅から30分ほどの場所に赴いた。

あまり期待していなかった私は当日キャンセルしたいとさえ思ったのだが、お金を支払った以上、「受けてみるか」という気持ちが僅かに優った。

無料だったら当日キャンセルして、このタイミングでコーチングに向き合えていないだろうと考えると、あの日を作ってくれたコーチと有料価格での提供に感謝しかない。

部屋に入るとコーチと対面。「ライフコーチです」と自己紹介された時、ずっとサッカーをやってきた私にとって、「サッカーのコーチなら知ってるけどライフコーチとは?」状態だった。

今の自分から見ると当時の自分がいかに無知であったかと恥ずかしくなる。

体験セッションは実に自然な流れで進んだ。

前のめりになってコーチングを受ける私

今となれば「あれはCTIのフルフィルメントの指針だった」などと言えるが、当時は知る由もなく、体を使ったり感情に向き合ったり…初めての体験だった。

1時間ちょっと過ぎると3年ほど悩んできた自分のキャリアについて明るい光が差し込んできた。そして今の自分は間違っていないと勇気をもらえた。

「コーチングってすごい」

そう思うと同時にさらに強い思いが湧き出てきた。

「これを自分ができるようになりたい。ならなくてはいけない」

そのコーチが CPCC・PCC保有者であったことから、コーチング=CTIとマインドがセットされた。

翌日、CTI体験セッションに申し込んでいた。

ちなみにそのコーチとはコーチング契約を結び半年間マイコーチとして伴走いただいた。

CTIでの学び

2024年9月、体験セッションには妻も連れて行った。

CTIのコーチングを体感して欲しかったからだ。

もっというと、その良さを感じてもらい、その場で約90万円ほどする基礎コース・応用コースを申し込むことに同意を得たかった。

体験セッションはとても素晴らしく、ますますファンになってしまった。

もちろん私はその場で基礎・応用コースを一括で申し込んだ。

ここから私にとってCTIの学びの旅が始まる。

基礎コース

2024年10月に基礎コースが開始。

キャリコンや複数の業務委託でメンターをやっていたこともあり、楽しみながらCTIというものに触れた。

応用コース

翌月から応用コース。

応用コースは3日間×4パッケージの学びの場に参加する必要がある。

初めのうちは頭で理解しようとするあまり、学びの幅を狭めてしまった自分がいた。

フルフィル、バランスまではそれでもまだ、耐えることができた。

フルフィルメントとは、Co-Activeモデルの指針の一つであり、人生の目的につながり、その人らしく充実感を大切にしながら生きることを意味します。(CTI公式HPより)

バランスとは、Co-Activeモデルの指針の一つであり、クライアントが人生におけるバランスを取り、意識的に自分の人生を選択して進んでいくことを意味します。(CTI公式HPより)

しかし、プロセスではそうはいかなかった。

プロセス・コーチングは、「今」この瞬間を体験することに焦点を当てます。なぜなら、私たちが生きているのは過去でも未来でもなく今であり、今を存分に経験しているかどうかが人生や仕事の質に影響するからです。(CTI公式HPより)

クライアントの「今」とひたすら「ともにいる」ことは言葉では表現し難い何かがそこにある。

これを頭で理解しようとした瞬間、学びの量が全体で100あるとした場合にその学びが10くらいに減る感覚。

このプロセスではクライアントのことを心底信じる「NCRW」が強く求められる。

NCRWとは、People are Naturally creative, resourceful, and Whole.の頭文字をとったCTIの用語であり、人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在であるという意味である。

コーチとして何か価値を出さなくては、どうにかクライアントさんの力になりたいと鼻息を荒げていた私にとっては到底理解できない概念であった。

お金をいただいているのだからコーチが助けてあげないと、クライアントさんに失礼くらいに思っていた。

今考えるととても驕り高ぶっている。実際コーチとはそんな立派な存在ではないのにね。

当時のファカルティーの方からも「たかさんはプロセスを身につけたら素晴らしいコーチになる」と言っていただいたのを覚えている。

以来、プロセスは最も大好きな指針である。

応用コースは楽しんでいるうちに終わった。

2025年3月、応用最後のシナジーが完了。

各コース3日間の学びであるので毎回金曜日は有給を取って参加していた。

後ろめたさは一切ない。学びを進めることで、そこで得た学びを私がチームに必ず還元できると信じていたから。

そして最短で申し込める5月スタートの上級コースに申し込んだ。

上級コース

100万円近くの追加投資だが迷いは一切なかった。

応用コース中にクライアントさんを何人か見つけ、コーチングで40万円ほどの売上が立っていたし、学びを深めることでいくらでも投資回収はできると考えていたから。

結果的に上級コースに追加投資した額は3ヶ月で回収できた。

学びの途中にいる私を信じてくれたクライアントさんには感謝しかない。心からありがとう。

コースが始まると、チームメイトは私より先に応用コースを完了した人たちばかりだった。

開始時には、彼らがコーチとしてだいぶ先輩に見えたことを今思い出した。

上級コースでは有料クライアントさん最低5人に継続的にコーチングを実施する必要がある。

仕事終わり、21時過ぎからコーチングを行なった。コーチングが日常の一部になった。

CTIでの学びは自分に向き合うこととほぼ同義な気がしているが、そんな私もコーチとして必要と思う方向へ、直感を信じて部署異動を行なった。

まさに、変化×変化である。

新しい部署では環境やマインドがこれまでの部署とは真反対のように感じて苦しかった。

そんな時でも仕事終わりに向き合うコーチングが「自分を自分らしく」保たせてくれた。

どんどんコーチングが好きになっていった。これは私にとっては天職だと思う。

上級コースが終わる最後から2回目の2025年10月15日、息子が生まれた。

そんな大切な日だからこそ、もちろんCTI上級コースのグループコールに参加した。

この感覚でコーチングを学び自分がコーチとしてクライアントに接したらどうなるのかとても興味があったから。

結果として、新しい自分に出会えた。

息子というNCRWを具現化したような存在ができてから、自身のコーチとしてのBeingが大幅に広がった感覚がある。

そしてそのBeingは今も広がり続けている。

そういえば、上級コース中に、システムコーチングをORSCで学んだ。米国Gallup社の認定ストレングスコーチも取得した。

さらに合格率15%前後のキャリア技能士2級の資格にも合格した。

当時は無茶をしていた。

それは、CTI上級コースに支払った100万円に追加で、上記の学びに250万円ほど投資したこと。

半年で350万円の自己投資はサラリーマンである私にとって正直簡単ではない。

それでもこの学びがクライアントのためにもなると信じ、学んだことは全部クライアントに還元する精神で躊躇なく投資し学んだ。

無茶をしたもう一つの目的が、CTIのCo-activeコーチングを客観視することだった。

CTIのパーソナルコーチングだけしか知らないと、CTIの特徴や意識すべき点が霞むので、その辺りを際立たせるためにあえて寄り道をした感じはある。

結果として私自身はCTIが最もぴったりくることがわかった。

CTI上級コースでの学びを一言で表すなら「夢中」。

夢中になって学んだ。その結果、上級コースが終わる2025年10月にはCPCC試験受験に必要な要件の一つである100時間を超えていた。

上級コースが完了した翌日にCPCC試験を申し込んだ。

CPCC試験

試験日は12/10。

CPCCは取得しに行ったり合格しに行くものではなく、自分がその状態になったら結果的に合格しているものである、とスーパーバイザーに言われたのを覚えている。

確かにそうだ。コーチングはコーチとクライアントが共に創り上げるものである以上、コーチが独りよがりになってはいけない。

CPCCでは小手先のスキルではなく、コーチとしてのあり方も非常に大事なんだと思う。

試験に向けて、スキルドリルは1-2回/週、クライアントとのコーチングも同じく1-2回/週やっていたので、週の半分ほどはコーチングをやっていたことになる。

さらに、デモコーチングの逐語録を作成し、コーチのどんな関わりがクライアントにどんなインパクトを与えたのかを分析した。

そして最も有効だったと考える準備が、個人SVでフィードバックされた内容を改めて見返すというもの。

プロ中のプロが私のコーチング音声を聞いてくれたフィードバック。これは成長の宝の山である。

改めて聞くと、最初はこんなこともできていなかったのかと恥ずかしくなるが、逆にいうとこの半年でここまで変わることができたのかと驚かされる。

人の可能性は無限大、なんて思うと、自身のNCRWも広がっていくよね。

そんなこんなで、Co-active のベースが体にインストールされている私は、自分がこれまでやってきたことをちゃんと見てあげることにした。

自分に自信というか、余裕をつけて、CPCC試験で躊躇なく思いっきりクライアントさんとダンスできるようにしたのである。

あと、自分がどんな状態で自然にコーチングができるか知っておくことも有効だと思う。

そうだ、せっかくなので私が自然とコーチングができるときを記録しておこう。

コーチングセッション前

  • 自分自身がご機嫌である
  • 程よい緊張を持っている
  • この後のセッションで何が起こるのかなって好奇心を持っている
  • 準備しすぎないで、その場でつくっちゃおうという気概がある
  • 自分の言いたいことを吐き出せている

コーチングセッション中

  • クライアントに好奇心全開である
  • 一切の躊躇がない
  • たとえ足が絡まってでも、ともにダンスしている
  • 直感全開である
  • 軽やかにembodimentをしている

試験当日

相手は試験官でありつつまずはクライアントとして、私は好奇心全開でその人に向き合った。

不思議とCPCCに合格したいという気持ちは微塵もなかった。

ただただ、クライアントのことを願い、ともにいつづける。

今まで学んできたことはもちろん、私自身が持ちうるすべてものもをリソースとして出し切った。そこに躊躇はない。

目の前でクライアントさんがどんどん変わっていった。それと共に自分もコーチとして自己管理をしながらもダンスした。

試験結果がどうであろうとよくなっていた。それは緊張からの解放などではなく、これが私の好きなコーチングだと心の底から言い切ることのできる時間だったから。

ただただ心が震えたし、コーチングというものに浸り、コーチングというものをさらに好きなった時間だった。

結果発表

試験結果の発表は12/24。

今年は大人になった私のところにもサンタさんがきてくれた。

CPCC試験合格。

素直に嬉しかった。報われた。

と、同時に、自分自身の内側に目を向けると、CPCC取得後と前で自分自身に何ら変化はなかった。

CTIの旅路を歩む過程でコーチとしてのBeingを習得し、そこにただCPCCというわかりやすい何かが加わっただけ。

本質的に私は変わっていないし、CPCCを取得したからと言って見える世界がガラッと変わるわけでもない。

ここに私がコーチングをやり続ける意味があるような気がした。

資格取得がゴールでない以上、何のためにコーチングをやるのかを問われ続けている。

コーチとは生き様である。

私の人生の目的である「全員が子供のように生きる世界を呼び戻す」ために、もう一段も二段もギアを上げてコーチングというものに本気で向き合いたいと思う。


これを書いている今は2025年12月6日。

そう、CPCC試験前である。

ただ、これまで積み重ねてきたことやクライアントさんの変化を見れば、記載したようなことが起こるのだろうと思って、書いてみた。

2日前に実施したマイコーチとの完了セッションでは、これまで持ち合わせていたロジカルさや力強さだけではなく、CTIでの学びを経て、またパパになってとてつもない包容力を手に入れたね。コーチとしてのBeing(在り方)が別次元。人生丸ごと楽しむなんていう言葉が聞こえてくるよ。新しい質感のたかさんなら大丈夫、って言ってもらえたのをこの瞬間思い出した。

自分の寿命を知っている人はいない。

いつ死ぬかわからない中、自分自身が天職だと思って夢中になれるコーチングというものに出会うことができた私は最高に幸せである。

成功も失敗もすべてリソースにして、目の前のクライアントさんとともにいつづける、そんなコーチでこれからもありたい。

--- 数日後にCPCCになる たかより

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