
このようなお悩みにお答えします。
結論:MBAの価値観は時代とともに変化し、ポストMBAのキャリアも実に多様になっている。PE・VCやコンサル等の名だたる有名企業で活躍する人に加え、ベンチャーでCxOを務めたり、自ら起業する人、政治家や教授になる人も珍しくない!
本記事の内容
- MBA生の競争優位性
- MBA求職に向けて意識すること・アクション
- ポストMBAのポジション
本記事の信頼性

この記事を書いている私は、
- 海外MBA進学・2度の転職経験をもとに自身が所属する香港の団体でキャリア相談を実施
- ドイツ勤務、外資系メーカーへの転職を経て、現在は外資系コンサルティングファームでビジネスコンサルタント職に従事
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MBA卒業後のキャリア形成

転職エージェントのアクシアムによると、MBA保有者を対象とする求人は依然として増加傾向にあるようです。
昨今では企業派遣でMBAを取得したビジネスパーソンが転職を行うケースも多いと聞きます。
どうしても厳しい受験を乗り越える必要があるためMBAに合格することに注力されがちですが、実際にMBAを卒業した私は、改めてMBA後のキャリア形成にも重きを置いてMBA受験をすることが重要だと感じています。
MBAと一口に言ってもその位置づけは時代により変わってます。
今から30年ほど前はまだMBA保有者というだけで、マネジメント層やCxOといったポジションで多くのキャリアチャンスが存在していました。
今日ではMBA生が増加したこともあり、MBA保有者というだけでは差別化は難しいと思います。
これまでよりもより目的意識を持って「Why MBA」「Why Now」に明確に答えることのできるキャリア目標を検討し実現する必要があります。

尚、私費留学と企業派遣でポストMBAキャリアの捉え方が異なります。
私費留学生
キャリアを中断してMBAに進学する方は、MBA卒業後に転職をする必要があるためMBA受験と並行してキャリア情報を収集することが極めて重要です。
企業派遣と比較してキャリアプランが明確な人が多いので、ポストMBAではより多くのチャンスに恵まれるケースが多いです。
企業派遣
近年の企業派遣生は、MBA卒業後に転職を行うケースも珍しくはありません。(転職時にMBAに企業で負担した費用を返済することを求められるケースがあります)
これには、MBA保有者といえども帰国から5年以上経過すると簡単に他社選考を通過できない事実が裏にあるようです。
MBAの同級生で企業派遣で進学していた方の話によると、30代前半等、帰国後に転職が容易な年齢だと会社に人材が残りにくいので、企業派遣の対象を35歳以上にしている企業もあるとのことでした。
MBA生の競争優位性

採用者視点でのMBA生に期待される特徴は、次のようなものがあります。
- 経営に関する知識・スキル・考え方
- コミュニケーション能力
- MBA生同士の共通概念・価値観
- MBA生同士のネットワーク
経済学や金融学、会計学や組織論などの授業を通して経営に関する知識を身につけることができる為、そういったハードスキルを用いて(将来的に)経営に近いポジションでの活躍が期待されます。
MBAに関わらずですが、海外では特に何かを伝えたり・汲み取ることに苦労する機会が多く、またバックグラウンドや文化の異なる人材と関わることから、多くのケースでコミュニケーション能力が鍛えられます。
当然、ビジネス上でも国内・海外関わらず高いコミュニケーション能力を必要とするためこのスキルを採用時にみられることがあります。
昨今ではオンライン授業も主流になっており、オンラインでのメンバーとのディスカッションを通じてプロジェクトを遂行するなど、実際のビジネス面でも必要とされる能力を経験することとなります。
志高いMBA生が集まるネットワークは、多様性に富み、生涯に渡って切磋琢磨できる仲間という点で質の高いビジネスマンの形成に役立ちます。
仮に企業にとって直接的な効果は期待できなくとも、志高い同士を持つことで、一人で考えているだけではけっして到達できない視野の広がりや視点の高さ思考の深さを得ることができ、長期的に企業の成長に繋がることが期待されます。
ポストMBAの求職活動に向けMBA中に意識すること

MBA合格と同時に壮行会や採用活動が始まります。
MBA入学前に求職活動は始まっているのです。
1st セメスター
- インターンシップ受けれ先企業検討
- 履歴書・職歴書・英文レジュメの作成&登録
入学直後はMBA生活で最も負荷が大きいとされています。
私も実際に1学期はオリエンテーションや必修科目・アサイメント等が多く、自分でコントロールできる時間がMBA期間中で最も少なかったです。
そんな中でも、MBAキャリアデベロップメントセンターにアクセスし求職時に必要な書類の完成度をあげておきましょう。
加えて夏のインターンシップに向けて、受け入れ企業の情報収集が必要です。
私の場合、大学院経由でサマーインターンに関する求人が来ており、そちらに応募しました。
現地での海外インターンシップはもちろん、描くキャリアによっては日本に帰国してインターンシップを受けることも選択肢に入れてもよいと思います。
最近では日本のベンチャー企業でもインターンシップを受け入れる企業が増加したと聞きます。
夏休みなどの長期休暇
- インターンシップ実施
インターンシップに参加することで、ポストMBAの求職時に実体験をもとに自信をアピールすることができます。
加えて、マーケットの現実を見聞きすることができるため、面接の場でより説得力のある発言をすることが可能となります。
MBA合格~卒業まで
- 希望業界・企業の壮行会に参加
- 転職エージェントに登録
- 志望業界の情報収集
- 先輩MBA生へコンタクト
コンサル業界を中心にMBA合格者を対象に壮行会が実施されます。
こちらの壮行会では会社紹介やサマーインターンの情報、企業によっては採用選考が行われることもあります。
壮行会に参加するために書類審査が必要なケースも珍しくありませんので、レジュメ等の書類は常にアップデートしておくことを意識しましょう。
また、MBA入学が決まったらいくつかの転職エージェントに登録してみましょう。
志望業界に関する求人情報などを幅広く入手しておきます。
私は十数社の転職エージェントに登録し面談をする中で志望業界の情報を入手していきました。
実際に私が求職時までお世話になったエージェントさんはこちらです。
ここで転職エージェントさんとつながりを作っておくとMBA期間中も参考求人を送付してくれたり、卒業が近づいた段階でスムーズに求職活動に移ることができます。

私が実際に行った求職のスケジュールはこちらでご紹介しています。
具体的なポストMBAポジション

90年代後半ごろまでポストMBAの主要ポジションは外資企業のFP&Aやマーケティング、投資銀行や戦略コンサルなどがメインでした。
2000年頃から、ベンチャーを自ら起業したりベンチャー企業でCxOを務めたりするする人が増えてきました。
ここ10年、20年では、社会起業家や家業を継ぐ人に加え、日系企業もMBA人材の受け皿を持つようになったことから経営企画や再生事業のマネジメントを担う人材になる人、さらには政治家や教授になる人など、ポストMBAのキャリア多様化が進んでいます。
ポストMBAのポジション一例
業界 | ポジション |
外資系PE | アソシエイト・シニアアソシエイト・ディレクター・VP |
日系VC | アソシエイト・キャピタリスト・ディレクター・VP |
外資系投資銀行 | カバレッジバンカー・アソシエイト・VP・SVP |
外資系保険会社 | リスクマネジメント・経営企画・HR・事業開発・FP&A・オペレーションマネジメント・監査 |
外資・日系コンサルティング | アソシエイト・コンサルタント・戦略コンサルタント・事業再生・金融財務・国際人事戦略・HRコンサルタント・ITコンサルタント・ERP/BPR業務改革 |
日系製造業 | 経営企画・新規事業開発・M&A戦略・PMO・海外進出・CFO・COO・マーケティング責任者 |
日系消費財メーカー | 経営企画・M&A |
サービス会社 | CEO・経営企画・M&A、海外事業開発 |
ITベンチャー | CEO・経営企画・新規事業開発・人事・M&A・海外進出 |
IoTベンチャー | CFO・CMO・事業開発ディレクター・PMO |
外資系ヘルスケア | リーダーシッププログラム候補・M&A・事業開発・コーポレートコミュニケーション・マーケティング責任者 |
外資系Eコマース | リーダーシッププログラム候補・M&A・ 経営企画・FP&Aマネージャー・事業開発。PMO・アライアンスディレクター |
外資系ブランド | ブランドマーケティング・PR責任者・購買・人事・CRM |
外資系エンターテイメント | FP&A・事業開発・プロダクトマーケティング・IT開発 |
外資系ITベンチャー | スタートアップGM・セールスマーケティング責任者・社長補佐・CMO・経営企画 |
外資系製造業 | FP&A・プロダクトマーケティングマネージャー・事業統括部長 |
金融業界
金融業界は、リーマンショック時と異なり、コロナで大打撃を受けていません。
逆に、コロナで痛んだ業界を資本の力で支える役割を担っていることから、責任ある仕事を回せるスキル・経験を持った人材がこれまで以上に必要とされています。
その証拠に、リーマンショックの時は求人を止めていた企業も、現時点でほとんど求人を止めていない状況です。
コンサル業界
コンサル業界は求人が増えています。
様々な企業が戦略大転換を行っている状況で、コンサルの需要が増加していることが背景です。
また、コンサルファームの中でもVCやPI、JVなどで企業を支援するケースも増えてきており、あらゆる場面で、経営戦略・IT・財務・M&A・海外展開支援・イノベーションに関わる機会が増えています。
日系ベンチャー
日系ベンチャーはCFO・COO等のマネジメント層の採用は継続である一方、これまでの積極採用による資金ショートや倒産が発生し業界内で企業淘汰が進んでいる現状があります。
まとめ:ポストMBAのキャリアは時代の変化とともにあらゆる職業に転身可能であり、企業からは変革者が求められている!

パンデミックやITの本格到来等により、企業に変革をもたらすリーダーが求められています。
例えば、これまで製造業が得意としてきた大量生産モデルでは世界に通用しない状況が生まれているためにDXを推進したり新しいビジネスモデルや新規事業をリードする人材等です。
MBA経験を最大化し目指すキャリア実現に向けて、MBA合格後はできるだけ早く行動に移しましょう。
MBA合格直後の具体的なアクションとしては次の通りです。
- 履歴書・職歴書・英文レジュメの作成&登録
- 希望業界・企業の壮行会に参加
- 転職エージェントに登録
- 志望業界の情報収集
- 先輩MBA生へコンタクト
- インターンシップ受けれ先企業検討
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皆さんのMBA生活が充実し、ポストMBA求職の準備に本記事が少しでもお役立ちになれば嬉しいです。